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ワークフローとは?システムを導入するメリットや選び方についても解説
2024.12.10
ワークフローとは、業務の流れや手続きを効率化・標準化する重要な仕組みのことです。近年、業務効率化やコスト削減を目指し、ワークフローシステムを導入する動きが加速しています。
特に、総務や人事といったバックオフィス部門で、ペーパーレス化やプロセスの可視化が求められる場面が増えています。そこでこの記事では、ワークフローの基礎からシステム導入のメリット、さらには選び方について解説いたします。
ワークフローとは
ワークフローとは、業務の一連の流れや手続きのことを指します。
たとえば、社内での申請や承認のプロセスを明確にし、効率的に進めるための仕組みが、その一例です。ワークフローによって、業務の可視化と標準化を行い、結果として無駄を省きます。
このため、業務効率を向上させる目的で広く利用されています。
紙で運用するワークフローの問題点
ワークフローを紙ベースで運用すると、次のような問題が生じます。
処理時間がかかる
紙ベースのワークフローでは、申請書類を直接提出したり、承認者のデスクに書類が滞留したりするため、処理に時間がかかることがよくあります。特に、複数の承認者が関与する際に、この問題が顕著になります。また、承認者が不在の場合、業務の停滞を招くこともあります。
エラーの発生リスクが高い
紙ベースの運用では、記入漏れや誤記などの人的ミスが発生しやすく、承認までのプロセス全体の効率を悪化させてしまいます。たとえば、日付や金額の入力ミスが原因で、再提出や修正作業が必要になり、余計な手間と時間がかかります。
コストがかさむ
紙の購入や印刷、保管スペースの確保、さらには書類の輸送にかかるコストは長期的に見て大きな負担となります。また、紙ベースの書類が多くなると、保管場所が不足したり、セキュリティリスクが高まったりもします。
進捗状況を把握ができない
紙の書類では、申請や承認の進捗状況をリアルタイムで把握するのが困難です。このため、業務全体の流れを可視化することができず、どのプロセスで問題が生じているのかを特定するのが難しくなります。
セキュリティの問題
紙の運用では、書類が物理的に管理されるため、紛失や不正の持ち出し、情報漏えいなどのリスクがつきまといます。特に、重要な個人情報や機密データを取り扱う場合には、大きなリスク要因となります。
ワークフローシステムとは
上記のような課題を解決するために、多くの企業がワークフローシステムを導入しています。
ワークフローシステムとは、業務の申請や承認、決裁といった一連のプロセスをデジタル化し、効率化を図るためのツールです。
従来、紙ベースやメールなどを利用して行われていた手続きを、システムで一元管理することで、時間とコストを削減し、業務の可視性を高められます。特にバックオフィス業務での利便性が高く、総務や人事、経理部門の業務において導入が進んでいます。たとえば、社員の休暇申請や経費精算、契約書の決裁プロセスなど、多岐にわたる業務に対応可能です。
ワークフローシステム導入のメリット
ワークフローシステムは、業務の効率化やコスト削減を目指す多くの企業で注目されています。ここでは、具体的な導入メリットを解説します。
業務効率化を実現できる
ワークフローシステムを導入することで、業務全体の効率と正確性を大幅に向上させられます。システムを活用することで、手戻りや人的ミスを減少させられるため、業務が滞りなく進行します。この結果、時間とコストを削減し、業務効率の向上を実現できるようになります。
申請・承認のスピードを向上できる
紙でのやり取りに代わり、ワークフローシステムを活用することで、申請・承認プロセスがデジタル化され、スピードを向上できます。承認者はシステム上で申請内容を確認し、ワンクリックで対応が可能となるため、プロセス全体のスピードが飛躍的に向上します。さらに、承認者が不在の場合でも、タブレット端末やスマートフォンなどのモバイルを活用して、リモートで処理を進めることが可能になります。
ワークフローを可視化できる
進捗状況がリアルタイムで見える化される点も、ワークフローシステムの大きなメリットです。管理者はどの申請が進行中で、どこで滞っているかを即座に把握できるようになります。透明性が高まることで、問題の早期発見と解決が促進され、業務全体の効率が高まります。
ペーパーレス化を促進できる
従来の紙ベースの運用に代わり、ワークフローシステムによってすべてがデジタル化されるため、ペーパーレス化が大幅に進みます。この結果、印刷費用や紙の保管スペースを削減できるだけでなく、環境負荷の軽減にも寄与します。さらに、検索性が向上し、紙書類を探す手間が不要になるため、業務がスムーズに進行します。
コスト削減につながる
ワークフローシステムを導入することで、コスト削減も実現できます。たとえば、紙や印刷コストの削減だけでなく、ミスが減ることで業務の効率が向上し、時間的なコストの削減も実現できます。
内部統制を強化できる
ワークフローシステムは、履歴を記録する機能を備えているため、内部監査やコンプライアンス対応も容易になります。ワークフローシステム内では不正を防止したり、データ改ざんのリスクを軽減できたりするため、企業の透明性と信頼性を高めることができます。
働き方改革を実現できる
リモートワークや柔軟な働き方が求められる現代において、ワークフローシステムはその基盤となります。特に、どこからでもアクセス可能なクラウド型のシステムを活用することで、従業員は場所や時間に縛られずに業務を遂行できます。この結果、従業員満足度の向上や離職率の低下が期待できます。
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ワークフローシステム導入の選び方
ワークフローシステムを選定する際には、自社の業務プロセスや要件に合致したものを選ぶことが重要です。ここでは、選定時に考慮すべきポイントについて解説します。
自社に合った導入形態か
ワークフローシステムには、主に以下の2つの導入形態があります。
・クラウド型…初期費用が低く、リモートワーク環境に適している。中小規模の企業に特におすすめ。
・オンプレミス型…自社サーバーで運用するため、高度なセキュリティが必要な場合に最適。
自社の業務環境やITインフラに合った形態を選ぶことが、長期的な運用の成功につながります。
自社の承認フロー対応できるか
企業ごとに異なる承認フローを、適切に管理できるか確認しましょう。特に、複雑な承認ルートを持つ企業では、柔軟なルート設定ができることが必須です。また、役職や部署ごとの承認者を簡単に設定できるシステムを選ぶと、運用時の負担を軽減できます。
必要な機能があるか
導入前に、自社で求める機能を明確にしておきましょう。
一般的に、以下の機能は多くの企業にとって重要です。
・申請・承認プロセスの自動化
・進捗管理のリアルタイム表示
・過去の履歴検索機能
・モバイル対応
既存システムと連携できるか
ワークフローシステムが既存のシステム(ERP、会計ソフトなど)とスムーズに連携できるかを確認しましょう。システム間でデータが自動連携されることで、データ入力の重複作業を削減でき、業務効率がさらに向上します。
使いやすいか
ワークフローシステムが直感的な操作性を備えていれば、導入後の社内浸透がスムーズになります。複雑なUI(ユーザーインターフェース)は従業員の負担を増やす可能性があるため、トライアル期間やデモ版を利用して、操作のしやすさを事前に確認しましょう。
サポートが充実しているか
導入後のサポート体制がしっかりしているかも重要なポイントです。
具体的には以下の点をチェックしましょう。
・問い合わせ対応の方法
・問い合わせ対応の曜日や時間
・問い合わせ対応の速さ
・導入時のトレーニング提供の有無
・運用時のトラブルシューティング支援の有無
コストは適切か
導入費用だけでなく、ランニングコストも含めた総費用対効果を考慮しましょう。
具体的には以下を比較することが大切です。
・初期導入費用(ライセンス料、セットアップ費用)
・月額または年額のサブスクリプション料金
・カスタマイズや追加機能の費用
コスト面で適切なバランスが取れているかを確認した上で選定しましょう。
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ワークフローシステム導入の導入事例
最後に、実際にワークフローシステムを導入した企業の事例を3件、ピックアップしてご紹介いたします。
紙の稟議書や申請書をデジタル化!稟議の大幅スピードアップを実現(学校法人桃山学院)
大阪で学校を運営する桃山学院では、大阪府内の3つのキャンパス、中学校・高等学校と、複数拠点で紙の稟議書を回していました。そのため、決裁までに多大な時間がかかっていたといいます。そこで、MAJOR FLOW Zを導入し、ワークフローを電子化。その結果、申請・承認に時間も手間もかからなくなりました。
さらに、決裁者のパソコンの画面上で承認待ち一覧や優先度などを確認できるようになったため、「すべきこと」がわかりやすくなるという効果も生まれたそうです。
導入事例の詳細は、下記のページをご覧ください。
紙の時代を終わらせ、新しい決裁システムへ
既存システムを活かしたコンパクト導入に成功
システムと紙による“二本立て”の運用ワークフローを解消(株式会社阪急交通社)
阪急阪神ホールディングスの中核事業会社として旅行業を手がける阪急交通社では、既存のワークフローシステムには旅行業界や同社独自の要件に合うフォームが用意されていないことから、紙の申請書で補っていました。
そこで、MAJOR FLOW Zを導入し、結果として、出張申請をはじめ、紙で運用されていた総務部門の申請書をほぼなくすことができたといいます。
導入事例の詳細は、下記のページをご覧ください。
旅行業界の独自要件にもしっかり対応!
改革の鍵は豊富な標準機能とカスタマイズ
休職中の社員が非イントラ環境からアクセスできるワークフロー環境を実現!(株式会社三井住友銀行)
3大メガバンクの一つである三井住友銀行では従来、産育休中など、休職中の従業員とのやり取りを、紙の書類の郵送や、私用メールアドレス宛の個別連絡などで対応してきました。
しかし、この方法では手間と時間がかかり、約1,700名の従業員が産育休を取る同社では、効率化が課題となっていたそうです。
そこで、金融機関ならではの厳しい要求に応えもられるMAJOR FLOW Zを導入したところ、育児休業関連の申請を行った従業員に対する取扱通知書の発行にメール通知機能を活用でき、自動配信が可能になったことから大幅な業務効率化につながりました。
また、年に1度程度しか発生しないような特殊なワークフローについても、手間やコストをかけずに申請書を作成できるようになりました。
導入事例の詳細は、下記のページをご覧ください。
クラウドワークフローが女性活躍推進を後押し!
非イントラ環境からの申請業務をスムーズに
まとめ
ワークフローシステムは、業務の効率化、コスト削減、内部統制の強化、そして働き方改革への対応など、多くのメリットを提供し、現代のビジネス環境において欠かせないツールとなっています。
特に、ペーパーレス化やプロセスの見える化といった需要が高まる中で、ワークフローシステムの導入が進んでいます。
適切なワークフローシステムを選ぶためには、自社の業務プロセスや承認フローに対応可能なシステムであること、必要な機能が揃っていること、既存システムとの連携性が確保されていることなどを確認することが重要です。
また、クラウド型かオンプレミス型かといった導入形態やコスト、サポート体制についても慎重に検討する必要があります。
「MAJOR FLOW」のような柔軟性と使いやすさを兼ね備えたシステムは、業務効率化や働き方改革を推進するための強力な支援ツールとなります。
まずはトライアルやデモを活用し、自社に最適なシステムを見つけることをおすすめします。