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ERPと連携できるワークフローシステムのメリットや選び方を紹介
2024.11.12
ワークフローシステムとERPを連携することで、業務のデジタル化やミス防止、承認プロセスの迅速化が期待でき、経営判断のスピード向上にもつながります。
本記事では、ERPと連携可能なワークフローシステムのメリットや選び方などについてご紹介いたします。
ワークフローシステムとは
ワークフローシステムとは、企業内の申請・承認フローや業務プロセスなどを電子化・自動化するためのデジタルツールのことです。
経費申請や稟議書の承認、勤怠管理を始め、承認・申請が必要な業務プロセスなど、企業内の各種申請手続きがワークフローシステムにより効率化されます。
従来、紙の申請書類やメール、口頭などでやり取りしていたプロセスがデジタル化されることで、ミスや承認の遅延を防止でき、業務のスピードが向上します。
ワークフローシステムを活用すれば、従業員の申請から管理者の承認、経理処理までをシームレスに連携することができるため、業務の透明性も高まります。
また、申請内容がシステム上で管理されるため、承認漏れや書類の紛失のリスクが軽減され、業務の効率化が図れます。
ERPとは
ERP(Enterprise Resource Planning)とは、企業全体の経営資源を統合的に管理し、業務の効率化を図るための手法のことで、これを実現できるシステムを指すことも多いです。
ERPを活用すれば、財務、会計、在庫管理、人事管理、生産管理など、複数の業務領域のデータを一元化し、リアルタイムで情報共有することができます。この結果、経営層や管理部門が必要な情報を迅速に把握でき、的確な意思決定を行えるようになります。
ERPはまた、企業の属人化を防ぎ、情報の「見える化」を実現するためにも重要なツールです。部門間の連携をスムーズにし、業務プロセスの標準化や合理化が進むことで、業務効率の向上とコスト削減が期待できます。
また、ERPはデータを一元管理することで、企業全体の状況を包括的に把握できるため、変化の激しい市場にも柔軟に対応することが可能になります。
ERPの活用効果は、ワークフローシステムとの連携によって、さらに高まります。
たとえば、申請・承認プロセスのデジタル化によって、経費処理や在庫調整などのデータがERPに自動反映されるため、業務の迅速化と正確性の向上が期待できます。
ERPと連携できるワークフローシステムのメリット
ERPとワークフローシステムを連携させることで、業務の効率化と業務フローの透明性を大幅に向上させられます。
以下で、ERPと連携するワークフローシステムの具体的なメリットをご紹介します。
手作業を削減し、入力ミスを防止できる
ワークフローシステムとERPを連携させることで、データの二重入力や手動入力が不要になります。
たとえば、経費申請のデータがワークフローシステムに入力されると、そのデータがERPにも自動的に反映され、会計処理まで一貫して行われます。このようなプロセスの自動化によって入力ミスやデータの不整合を防止でき、バックオフィスの作業負担を軽減できます。
意思決定を迅速化できる
ERPとのデータ連携により、ワークフローシステム内でのデータがリアルタイムでERPに反映されます。
このため、経費や在庫の状況、各部門のパフォーマンスを即座に把握でき、迅速な意思決定が可能になります。
特に、経営判断を求められる場面で、最新のデータを正確に活用できるため、企業の競争力を高められます。
コンプライアンスと情報セキュリティを強化できる
ワークフローシステムとERPが統合されることで、承認プロセスや経費処理がシステム上で厳格に管理され、コンプライアンスの向上を図れます。
たとえば、不正な経費申請や処理の遅延をリアルタイムで把握できるため、不正防止や迅速な対応が可能です。
また、アクセス権限管理やデータの暗号化により、社内外の情報セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。
コスト削減につながる
ERPとワークフローシステムを連携することで、業務の自動化と効率化が進み、人件費や管理コストの削減も期待できます。
また、デジタル化によるペーパーレス化を実現できたり、無駄な作業も削減できます。
ワークフローシステムの選び方
ERPと連携させる目的でワークフローシステムを選ぶ際には、業務効率化やミス削減の効果を最大化するために、システムが自社のニーズに合っているかどうかを十分に検討することが重要です。
必要な機能が揃っているか
ワークフローシステムには、経費申請や承認、稟議書の提出など、企業のさまざまな業務フローに対応するための機能が求められます。
まず、自社で特に効率化したい業務を洗い出し、それに対応する機能が備わっているシステムを選びましょう。
各業務フローのカスタマイズが可能なシステムであれば、業務内容に合わせて柔軟に設定ができ、導入後の活用度が高まるでしょう。
自社の業務に適しているか
システムが自社の業務内容やフローに適しているかどうかも、選定時の重要なポイントです。
部門や役職に応じて複雑な承認プロセスが存在することが多いため、業務ごとに承認ルートを柔軟に設定できるシステムが理想的です。
また、業務に適したワークフローのテンプレートが用意されているシステムであれば、導入時の設定作業が進みやすく、初期の運用負荷を軽減することができます。
使いやすいか
ワークフローシステムは多くの従業員が日常的に使用するため、使いやすさが導入効果を大きく左右します。
特に、直感的に操作できるユーザーインターフェースや、スマートフォンからのアクセスが可能なモバイル対応機能があると従業員の利用頻度が高まり、システムの定着化が促進されます。
また、シンプルで使いやすい操作画面が備わっていると、ユーザー研修の時間も短縮され、導入後の早期活用が期待できます。
既存システムと連携できるか
既存のERPや会計システム、経費精算システムなどと連携できるかも、選定時には欠かせないポイントです。
システム間でデータを自動連携できれば、二重入力が不要になり、データの一貫性が保たれて業務の正確性が向上します。 また、ERPとリアルタイムでデータを連携できるシステムであれば、各部門の業務フローが効率化されるだけでなく、経営層が最新データに基づいた意思決定を行いやすくなります。
まとめ
ERPとワークフローシステムを連携することで、企業の業務効率化を促進し、バックオフィス業務を最適化することが可能です。
なぜなら、連携によってデータの一元管理を実現でき、申請や承認のプロセスがデジタル化されることで、迅速な意思決定が可能となるためです。
さらに、手作業の削減や入力ミスの防止、そして不正防止など、複数の面で大きな効果をもたらすため、企業全体の業務改善に貢献するでしょう。
ワークフローシステムを選ぶ際には、必要な機能の充実度、自社業務への適合性、操作性、既存システムとの連携などを総合的に検討することが重要です。適切なシステムを導入することで、バックオフィス業務の効率化と品質向上を図ることができるでしょう。