Column
領収書の基礎知識とは?精算ルール・インボイス・電帳法、それぞれの基本を徹底解説!
2026.01.20
領収書は支払に関する証明書
領収書とは一言でいうと取引における金銭の受領事実を証明する書類のことです。原則として売り手(代金の支払いを受け取った事業者)が発行し、買い手が経費精算や会計処理を行う際の証になります。よく似たものとしてレシートがありますが、レシートには宛先(購入者)の記載がないことが大きな違いで、レシートは小売店など不特定多数の相手に発行されるものです。
請求書とは
代金の請求を相手へ通知する証明書のことです。
レシートとは
POSなどから印刷される簡略版の領収書。領収書との違いは宛先がありません。
【ご参考】領収書の必須項目
・宛名(氏名や会社名) ※略称ではなく正式名称
・金額 ※改ざん防止のため、カンマ区切り、末尾に「※」「-」などを付ける
・但し書き(取引内容。「〇〇代として」など具体的に記載することが必要)
・発行者名(名称・住所・連絡先が必要)
※5万円以上の場合には収入印紙が必要になります。
※後述するインボイス制度に対応する場合は上記に加え、「適応税率」「税率毎の消費税額」「発行事業者の登録番号」の記載も必要になります。

経費精算に領収書が必要な理由
経費精算を行う際、領収書は商品やサービスの購入を行ったことを公的に証明する書類として必要になります。領収書がない場合、下記のようなことが生じる恐れがあるため、それを防止する役割があります。
不正の防止
過大請求や架空請求、私的利用分の請求など、従業員が不正な精算を行うことを防ぐため、その取引の内容の証明になります。
二重払い防止
領収書に対して支払いを行うことで支払の有無を確認できるため、二重払いを抑止できます。
証票書類として保管が必要
領収書は政務申告の証憑として使われるため、原則7年間の保存が義務とされています。
領収書を紛失してしまった場合
上記の理由から経費精算の際には領収書が必要になります。
しかし、もしも領収書を紛失してしまった場合はどのようにすればよいのでしょうか?
基本的には下記のような方法で対処することになります。
再発行の相談
まずは発行元に再発行の相談をしてみることが基本です。
しかし、領収書の再発行は義務化されていないため、不正防止の観点から再発行不可とされている場合があります。
レシートや利用明細で代用
レシートやクレジットカードの利用明細を領収書の代用とする方法です。
ただし、金額や但し書きなど、取引の内容が記載されていることが必要です。
出金伝票で対応
出金内容を照明する出金伝票を作成し、取引の記録を残すことで対応。
※客観的な証明にはならないため、メールなど取引内容の記録を補完資料として残しておく方がベターです。
経費経費事件の事例のご紹介
不正な経理処理が発覚した場合、下記のようにニュースとして取り上げられ、企業の信頼に大きく影響します。透明性のある企業経営を継続するためにも、領収書の正しい取り扱いは必要です。

<最近の主な不正経費のニュース>
・NHK報道局社会部の記者が約800万円の私的飲食を不正請求。
参照:NテレNEWS NNN 2023年12月19日23:17 https://news.ntv.co.jp/category/politics/59a2a07dd1de4f698567c6a1f5de125a
・TBSホールディングスの常務が取引先との会食と偽って約660万円の私的飲食を不正請求。
参照:朝日新聞 2025年12月18日18:30 https://www.asahi.com/articles/ASTDT30PXTDTUCVL023M.html
・フジテレビの取締役が会食や手土産の相手先を偽って約100万円を不正請求。https://www.yomiuri.co.jp/culture/tv/20251107-OYT1T50151/
参照:讀賣新聞オンライン 2025年11月7日19:32 https://www.yomiuri.co.jp/culture/tv/20251107-OYT1T50151/
・広島ホームテレビの社長が社内飲食を取引先との飲食と偽って約160万円の不適正経費使用。
参照:朝日新聞 2025年11月19日 https://www.asahi.com/articles/ASTCM3GBGTCMPITB004M.html

領収書に関係が深い新しい制度や法律について
適切な方法で領収書を管理しなければ、ペナルティを受けたり、企業の社会的信頼を失ってしまいます。ですので、領収書に関する法律や精度は正確に把握・理解しておく必要があります。
ここではその代表例として2023年10月にスタートしたインボイス制度と2024年1月に改正された電子帳簿保存法を説明いたします。
さて、このあたりで領収書と関係が深い新しい法律である「インボイス制度」と「電子帳簿保存法」についても確認しておきましょう。
インボイス制度とは
令和5年(2023年)10月1日からスタートした制度で、税率が複数あっても、事業者の方が消費税を正確に納めていただけるように、消費税の金額等を書いた請求書・領収書等(インボイス)を基に計算する仕組みです。インボイス制度がはじまったことにより、仕入税額控除をするためには、その金額が正しいことを確認できるインボイスの保存が必要になりました。

インボイスとは
インボイスは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
具体的には、以下の事項が記載された書類やデータをいいます。なお、請求書に限らず、所定の事項が記載された書類であれば、領収書や納品書など書類の名称を問わず、インボイスとなります。
インボイスの項目とは
①インボイスの交付先である相手方の氏名または名称
②売手(自社)の氏名又は名称及び登録番号
③取引年月日
④取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
⑤10%・8%それぞれの対象となる対価の総額及び適用税率
⑥10%・8%それぞれの消費税額等
電子帳簿保存法とは
電子帳簿保存法は、税務関係帳簿書類のデータ保存を可能とする法律で、同法に基づく各種制度を利用することで、経理のデジタル化が図れます。また、取引に関する書類に通常記載される情報(取引情報)を含む電子データをやり取りした場合の、当該データに関する保存義務やその保存方法等についても同法により定められています。
電子帳簿保存法の制度の種類
①電子取引
メールやインターネットを介してやり取りした取引情報に係るデータの保存義務について定めたもの。
令和6年1月1日から、請求書・領収書・契約書などに関する電子取引データを送付・受領した場合には、
その電子取引データを一定の要件を満たした形で保存することが必要になりました。
②電子帳簿・電子書類
会計ソフトなどパソコンを使用して電子的に作成した帳簿所類は、最低限の基準を満たすことで、
印刷せず電子データのまま保存する必要ができます。
また、所得税、法人税又は消費税の保存義務が課される帳簿について訂正削除履歴が残るなどの「優良な電子帳簿」の要件を満たして保存に
関連して仮称深耕区があった場合に、仮称深耕区加算税を5&軽減する措置が設けられています。(個人事業者については、さらに青色申告特別控除(65万円)
の着用を受けられます。)
③スキャナ保存関係
紙で受領した国税関係書類をスキャナなどで電子データかすることで、保管スペースが不要、経理のスピードアップ、リモートで経費精算などのメリットを享受できます。
参考:国税庁 電子帳簿保制度特設サイト
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/index.htm
例えば、経理担当者が領主書受領の度にインボイスの内容(登録番号や税率の有無など)を確認したり、手書きの領収書など証憑を受け取った際、その受け取り方法によって保管方法を変えたりなど、これらの制度が登場したことで経理担当者の業務は大きく変わり、手間となる作業が増加しました。
電子帳簿保存法につきましても2024年1月の改正で電子データで受領した証憑は電子データで保管しなければならなくなりましたが、単純にデータ保存をすればよいという者ではなく、法律で定めた規定に準拠した形で保管しなければないため、とても煩雑で大変です。
システム化で経理担当の負荷軽減
そんな中、経理担当の負荷を軽減するためのツールとしてクラウドサービスの経費精算システムが注目されています。ここでは、それらのシステムを利用することで、どのように法改正対応で煩雑になった経理業務をどのように省力化できるのかご紹介いたします。
真実性の確保
システムを利用することで、データの改ざんや削除を防止したり、適正な形でタイムスタンプを付与することができるため、真実性の確保を簡単に証明できるようになります。
可視性の確保
「データ検索」はシステムが最も得意とする分野で、法律が定める要件(取引年月日、取引金額、取引先)を条件にした検索が素早く行えるようになります。紙の運用では素早く検索するために、その準備としてファイリングも手間になっていたと思いますが、その作業も不要になります。
必須項目のチェック
インボイス制度ではインボイスとして認められるために法律で定められた6項目を記載する必要があります。システムを利用することで、その必須項目に漏れがないかを自動チェックし、不要な差戻しを抑止できます。
登録番号の自動チェック
領収書などに記載された登録番号が正しいものなのか?国税局のデータベースと照合して誤りがないか、チェックを自動化します。
電子データのOCR読取や要件チェック
OCR機能があるシステムであれば電子データで受領した領収書の内容を自動的にデータ化できます。
また、電子データとして保管する場合には、一定の解像度をクリアしている必要があり、その要件を満たしているか、チェックできます。
なお、ほとんどのシステムがインボイス対応や電子帳簿保存法対応を謳っておりますが、実際にはサポートするような機能はあるが、使ってみると昨日不足で法対応の要件を満たすことができなかった・・・。というご相談をいただくこともあります。
そのような失敗をしないためにも、システム選定の際には、公益社団法人日本文書マネジメント協会(JIIMA)の認証を受けている製品か確認されることをオススメいたします。認証を受けている製品は下記のサイトに掲載されておりますので、是非、ご参照ください。
▼公益社団法人日本文書マネジメント協会のホームページ
https://www.jiima.or.jp/certification/

まとめ
これまでご説明させていただきました通り、普段何気なく取り扱っていた「領収書」は支払の内容を証明するための正式な書類としてとても重要な役割を持つものだということはご理解いただけたと思います。そして、それだけ重要な書類であるからこそ、領収書に関する制度や法律は数多く存在し、改正も頻繁に行われています。
コラムの中でもご紹介させていただきました通り、経費に関する不正を行った場合にはメディアに取り上げられ、瞬く間に世の中に広がり、企業の信頼低下を招いてしまいます。悪意による不正は論外ですが、知らずのうちに誤って処理をしてしまった場合にも不正につながってしまうことがありますので注意が必要です。
少量の証憑であればマンパワーでも対応ができると思いますが、従業員数が多い、取引先が多い、出張が多い、受発注が多いといった企業では処理しなければならない領収書の数は膨大でその数に比例して不可や違反の危険性も高まります。コンプライアンスの強化や経理部門の業務効率化を検討されるのであれば、適切な領収書の管理にフォーカスし、経費精算システムや証憑保管システムの活用をご検討されてみてはいかがでしょうか?
